戦略的思考を身に付ける ゲーム理論
ゲーム理論という語弊がありまくりな学問があります。テレビゲームは関係ないです。
自分の言葉で正確に伝えるのが難しそうなので、まずはウィキペディアからその意味を引用したいと思います。
ゲーム理論(ゲームりろん、英: game theory)とは、社会や自然界における複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を数学的なモデルを用いて研究する学問である。
数学者ジョン・フォン・ノイマンと経済学者オスカー・モルゲンシュテルンの共著書『ゲームの理論と経済行動』(1944年) によって誕生した。
あれ、ノイマンってコンピュータ作った人じゃなかったっけ?と思ったらそのノイマンでした。関係ないのでここは触れずに。
ウィキペディアの説明を引用したところでよくわからないですね。
簡単に言うと、ゲームに勝つにはどうしたらよいかを、戦略的に考える思考法です。戦略的思考。
この思考方法を身に付けておくと、色々なところで役に立ちます。
囚人のジレンマとか、ナッシュ均衡とかゲーム理論を語るうえで欠かせない、かっこいい用語は色々あるんですが、私が一番役に立ったと思うことは、「勝利条件を明確にする」という思考です。
ゲーム理論(というか私の読んだ本)の骨子にある考え方で、物事をゲームととらえて、どんなルールでどういう構造になっているか、を把握したうえで、最適な結果を導き出すというのがあります。
交渉ごとにせよ、なにかの企画にせよ、何を達成したらゴールなのか、ということを明確にすることで打ち手がわかりやすくなります。
囚人のジレンマとナッシュ均衡にふれます
囚人のジレンマはゲーム理論で一番有名な事例です。
囚人が二人いて、AとB。
一人だけ自白をしたら自白した方は無罪。
二人とも黙秘をしたら懲役1年。
自分だけ黙秘をして相手が自白をしたら懲役3年。
二人とも自白をしたら懲役2年。
この時に囚人がとるべきベストな戦略は「自白」すること。選択肢は「黙秘」or「自白」の2択です。
黙秘をしたら一番良くて懲役1年、最悪3年。
自白をすると一番良くて無罪、悪くて2年。
この状況では、自白をするのが一番期待値が高い。
ナッシュ均衡はお互いがベストの選択をすること
同じルールのもと戦っている場合に、お互いが最良の方法を選んで均衡することをナッシュ均衡と言います。
ゲーム理論ではこのナッシュ均衡となる状態がどこにあるのかを考えることが重要。
ゲーム理論を仕事や生活に生かすとこうなります
ゲーム理論には色々あるんですが、詳しくは書籍を読んでいただくとして、先に軽く触れましたが、この本からの学びは「勝利条件を明確にすること」
議論をするとき、企画立案をするときなど、私がいつも心がけているのが自分にとっての勝利条件はなんなのか、これをいつも考えてます。
自分にとっての、というのがポイントで、正しいとか優れているとかじゃなくて、自分のベストはなんなのかを考えてました。
家庭内の小さな戦略 たまに手伝う
夫婦生活の上で、家事の分担という課題があるじゃないですか。私は基本的に受け持つ家事というのを作らないようにしてます。
ただ、一度も家事手伝いをしたことがないかというとそうでもなく、たまに皿を洗ったり、洗濯ものを干したり、ということを手伝います。たまに。
これは、たまにやると褒められるのに、やるのが当たり前になるとやらないと怒られる、という状況を作りたくないからです。(最低なこと書いてるな。ほら手伝わないよりいいっしょ)
私にとっての勝利条件は、怒られないように日々楽しく過ごす。なので、家事を進んで手伝う良き夫ではないのです。
この勝利条件を保ち続けるように、月に1回~2回くらいケーキやデザートなどを買って帰ったりもします。
相手のことばかりを考えすぎると自分の負担が増えるじゃないですか。
自己犠牲の上に成り立つ協調はいつか破綻するわけですよ。なんで自分ばっかりと。
そうならないように、たまに手伝う。重要なポイントです!
ビジネスに生かすときはシンプルな勝利条件を設定する
家庭内のことはさておき、仕事の上での勝利条件は1つに絞ってました。
物事のベストを追い求めると理想は作れても、達成不可能な勝利条件になりがちなんですよ。
通販会社だったので、キャンペーンとかを考えたりするわけですが、「何がしたいのか」を1つに絞る。
集客したいのか、売上を上げたいのか、在庫を減らしたいのか、客単価を上げたいのか、費用対効果を良くしたいのか。
全部達成できればそりゃいいですけど、世の中そんなに甘くないわけです。
このうちの1つに絞れば、何をやればよいかがわかりやすくなるわけですね。
まぁ、大体売り上げあげろといわれるんですけどね。
売上をあげるのであれば、利益率を計算して、上長がOKを出すか出さないかの価格設定。
加えてメルマガなどの費用が掛からない広告手法と、サイト内の流入経路を考えてバナーを張ったりとそこからやることが見えてくると。
課題解決の勝利条件とルールの把握
一番マッチする考え方は、解決すべき課題に対しての考え方です。
私の仕事がら、WEBの計測用のタグを埋め込んだけど正しく動作しないので見てください。とよく言われます。広告計測用のタグが多いんですけど。
そのときに必ず確認するのが
「何のためのタグなのか(ゲームの目的)」
「それを測るために必要な情報は何か(ゲームの構造・ルール)」
「解決すべき課題は何か(勝利条件)」を必ず明確にします。
勝利条件は仮説なんですけどね、着手の段階では。
勝利条件を達成しても解決できない場合は、勝利条件が間違っているので別の原因を探ります。
勝利条件が明確でなければ達成すべき課題が見えない
こんな感じで、ゲーム理論の細かいロジックよりも、ゲーム理論の枠組みを大雑把にとらえるだけでもすごく参考になりました。
細かいロジックを雑に扱ってますが、1つ1つの話も面白く参考になります。こういうレビューで全部を語るのは無粋なうえに、権利上大丈夫なのかというあれで、深くは紹介しておりません。
戦略的思考を身に付けたい方には「ゲーム理論」がオススメです!