知らない人は損をする 行動経済学という学問
行動経済学という経済学をご存じでしょうか。人の購買行動はいかにして行われるかを研究している経済学です。
行動経済学はマーケティングを学びたいとか、それを仕事にしている人にはオススメというか、とりあえず読め!と言いたい本です。
事例紹介 アンカーリング
一番有名な行動経済学の例を挙げると「アンカリング効果」ですかねぇ。
初めて見たものを基準に物事の価値を判断する、という効果です。
具体例を挙げると、定価5000円のイヤホンが、20%OFFの3,980円です、と言われると安くなったと感じるじゃないですか。
安いと感じるのは「定価」に対して安いと感じるわけで、判定基準が「定価」になっているわけです。
最初に基準となる数字を提示して、それよりも安い金額を出すことによってオトク感を演出していると。
これは代表的な例で、あたりまえやんけ、と言われそうなのでもう一つ事例を紹介します。
目的がすり替わる「アンダーマイニング効果」
目的をすり替えてモチベーションを奪う、という恐ろしい効果を発揮する行動経済学の1つです。
ブログを好きで書いていた人が、アドセンスの収益を手にすることで、好きなことを書いていたブログが、いつしかアドセンスで収益があがるテーマばかりを書くようになりました。
ところがGoogleアップデートの影響でサーチエンジンの順位が下がり、ブログのPVが激減し、収益があげられなくなったらブログを書かなくなった。
自戒の念も込めて。
インセンティブが付くことで目的が「ブログを書く事」から「お金を稼ぐこと」になってしまい、稼げなくなったら好きで書いてたブログの更新をやめてしまうという例え話です。
こんな感じの事例が行動経済学です。
名前ほど固くなくて、おもしろそうじゃないですか?
そんな行動経済学から2冊の本を紹介します。何冊か読んだんですが、記憶に残っているのがこの2冊なため。他の本も大体似たようなこと言ってるからこの2冊で基本は抑えられます。
行動経済学ってどんなこと?入門編にマンガはどうですか
行動経済学まんが「ヘンテコノミクス」というタイトルの行動経済学のマンガです。
行動経済学の代表的な事例が23話、漫画として掲載されています。
マンガで書かれているため読みやすく、2時間もあれば読み切れる内容です。
マンガのタッチは手塚治虫さん風な、赤塚不二夫さんチックな、固い本とは思わせない、ミスマッチなようでマッチングしている作画になっています。
〇〇効果という、心理学的なネーミングのついたエピソードが23本入っているので、手っ取り早く行動経済学について知りたい人にはオススメな一冊です。
本格的に行動経済学を知りたい人は「予想通りに不合理」
これ、洋書なんで、洋書によくある筆者がアメリカンジョークを交えながら軽快なトークを口語調で書く、という本になっています。
私が初めて行動経済学を知ったきっかけの本です。なんでこれ読んだんだろう。
きっかけはまったく覚えてないのですが、こんな面白い本があったのかと感動したのを覚えてます。
心理学的な本が好きで、その延長で読んだ気がしますね。
この本の凄いところは、仮説があって、それを検証する、ということをキッチリ行っているところです。
その実験の内容をものすごく細かく書いてるんですよ。文庫本タイプで496ページと超ボリューミーな内容です。
ちなみにキンドル版のほうがオトクです。
本の影響を受けて実際に色々ためしました
この本を読んで、私はWEBマーケティングを仕事にしているので、色々と試したことがあります。
「極端回避性」という一言でいうと人間は松竹梅があったら真ん中の「竹」を選ぶ、という行動経済学があります。
それと人間は「得」をするよりも「損」をしたくないという「損失回避の法則」というのがあります。
これを念頭において、キャンペーン商品の価格設定を松竹梅の3パターン作りました。
普通に作ると「竹」が売れるようなプライシング(価格設定)をするんですが、私が企画したキャンペーンは一番高い「松」をメチャクチャ得にしました。
松:24,800円(78%OFF) 竹:22,800円(60%OFF) 梅:14,800円(48%OFF) のような価格設定。
竹を基準にさせて、+2000円出せばもっとお得な松のセットが買える、という設定。(アンカリング効果も交じってますね)
この価格設定は大当たりでした!我ながらよいキャンペーンが作れたと今でも思ってます。
他にも色々実験したんですが、別の機会ににでも紹介できればと思います。
なんとなくにネーミングと実験をしたものが行動経済学
こんな感じで日々の購買行動において、なんとなくそっちを選んでいたり、不合理にわけのわからない選択をしてしまうことについて、詳しく研究したものが行動経済学です。
※我流の解釈なので世間で言われているものと違うかもしれません
本で得た知識を実際に使えないと意味がないわけですが、今まで読んだビジネス書籍の中でも一番汎用性の高い本になりました。
汎用性の高いビジネス書籍です
行動経済学をうまく使えばブログのライティングにも生かせるわけですよね。紹介する商品の順番や言い方を工夫することで購買率(CVR)をUPさせることができますから。
他にも自分の企画を通すときとか、上司の人に「行動経済学のアンダーマイニング効果を使うことで、顧客の目的をすり替えることができるんです!」とか言ったらなんか凄そうじゃないですか。
アンダーマイニング効果とか、プライドが無駄に高い知ったかぶりの上司だったら、「知らない」と言いづらいワードだから、これだけで「よし、分かった」言わせることが可能ですよ。
こんな感じの本です!行動経済学は読み物としても面白いので幅広い人にオススメです。
ソイエバさんの「ヘンテコノミクス」書評紹介
ヘンテコノミクスをTwitterで紹介したら、さっそく興味を持っていただいて、実際に読んでくれたソイエバさんの書評を紹介いたします!
ソイエバさんは情報収集がやばい人で情報感度が高く、アンテナが色々なジャンルに張り巡らされている凄い方です。
勧めた本をすぐに読んでくれて、ソッコーでレビュー記事をUPしてくれているという事がすべてを物語っていますね。
ソイエバさんのプロフィール(サイトより転載)
ソイエバさんのプロフィールは以下の通り
Web業界歴14年(2005年~)のソイエバです。はじめはWeb制作(デザインとコーディグ)から入り、企画制作・広告管理、Webディレクター、営業、教育部門などを経験してきました。
首都圏で5年働き、地方に移住。現在は個人事業主として企業の社員教育や提案アドバイザー等をしています。
プライベートでは、2児の子育て中。自分の好きな仕事をしながら、ストレスのない生活を送る、ということを心に決めて日々活動しています。
情報収集された内容をTwitterでアウトプットしてくれていますので、ソイエバさんのTwitterはフォローしておくと、WEBの最新情報や、注目の最新情報をチェックできるのでオススメです!