銀と金という漫画原作のドラマをアマゾンプライムで見た感想
スマートフォンで映画やドラマを見ながら通勤する日々を送っております。最近は音楽をよく聞いていたので映像コンテンツがご無沙汰だったんですけど、また動画を見始めました。
音楽とはまた違った楽しみが動画にはありますね。
Amazonプライム会員なので、無料でいろいろな動画を楽しめるのがいいです。ダウンロードできるコンテンツしかみていないので、通信制限も気にせず見れますから。
いろいろある動画の中から、毎回何を見ようかと迷いながら探すんですけども、今回は「銀と金」を選びました。
これ、読み方どっかで「ぎんとかね」と読むというのを見たことがあるんですけど、正しくは「ぎんときん」なんですね。なんだよ、間違って覚えてたぜ。まぁいいや。
これは「カイジ」で有名な福本伸行さんが原作の漫画でして、漫画は読んだことがあるんです。さらにいうと、いわゆる福本漫画といいますか、ギャンブル、金、欲望、悪役。
そういった単語が並ぶ、そういう漫画です。
そういう漫画が原作な話が映像化されるとどうなるのか、これが意外と悪くない、というか結構面白いです。いや、面白いです。
1話が30分弱と短めなのでサクサクみられるのも良いです。さらに言うと、どうやら3/14現在、リアルタイムのドラマも進行中で11話まで放送されている段階で、現状ではまだ完結していないようです。
なので、ネタバレになるような話は極力避けながら、何が面白いのかを伝えていきたいと思います。
漫画と比較してよいものかとも思いますが、漫画原作ドラマの宿命なのであえて比較しますけど、主人公の銀さんの深みというか、凄みというかそういった面がドラマの中だけだとちと弱い。
役者のリリーフランキーさんが悪いわけではなく、単純に時間が短すぎるので、戦いに焦点が置かれてしまう以上、ある程度はしかたないかとも思います。
展開の速さが魅力でもあり、物足りなさにもなっていますが、テンポは良いです。
福本さんの漫画といえば丁寧すぎる心理描写と葛藤が魅力なわけで、麻雀の配牌が終わるのに1話かかると揶揄されるほど漫画だと丁寧で、悪く言えばテンポが遅い。アカギに関しては1夜の話が20年にわたって連載されているほどですから、掘り下げ度合がドラマのほうが低いのは仕方ないわけですな。
金をめぐって悪者とギャンブルで戦うというのが基本で、ギャンブルの内容が贋作の絵を見極める勝負、ポーカー、麻雀とそんなに珍しい題材ではありません。
そこにいかにして相手に対して優位に立ち、事を進めるか、脅したりすかしたり、仲間につけたり裏切ったり、ハッタリや虚をつく行動、言動。そういった福本漫画のコアにある部分はしっかりと作りこまれています。
娯楽としてみても楽しめる作品ですが、私は行動経済学というものが好きで、それに通づるところのあるお話が多いんですよ。よく言うと消費者心理について学べるところがある。
経済学で言うところのサンクコストの考え方が良くわかる。まぁ稀な例になりますけども。ドラマや漫画のシチュエーションなんてそうそうあるわけないですから。
ちなみにサンクコストというのは埋没コストという意味で、簡単に言うと、無駄だとわかっていてもすでに投資した分のコストが惜しいがためにもっと損をしてしまうことを言います。
良く例に出されるのがつまらない映画を見ているときに、ずーっと見続けることは、映画を見るために支払ったお金はもちろん、つまらないとわかっていながら最後まで見てしまうとそれにかける時間まで無駄にしてしまう。という例です。
つまらないと思ったのなら、映画を見るのに支払った料金のことは忘れてさっさと帰ったほうがよっぽど生産的であるといわれます。
映画をみるような軽い例ならいいわけですが、たかがポーカーに常軌を逸した掛け金を張り続けると、人間はどういった心理状況になるか。勝てばいいけど負けたら丸損。降りるに降りられないという心理状況になるわけです。
ここで終わるのが経済学のドラマなんですが、このドラマはここからが見どころなわけです。降りるに降りられない状況に追い込まれた人間がどういった行動をとるか、それを見越してどういった打ち手を打てばいいのか、謀略と戦略を張り巡らせて戦っていくわけです。
こんなバカげたギャンブルなんてあるわけないと思いつつも、無茶苦茶ながら筋の通った話や言い分についつい引き込まれてしまいます。
非日常のありえない狂気の沙汰のギャンブラーを見たい方にはおススメのドラマです。